Sarah's Diary

UK POPの歌詞和訳と関連記事から英語を学びます

2018.4.26 : マイク・ジョイス、モリッシーの差別発言に関するクイズに挑戦

www.nme.com

 

ザ・スミスのマイク・ジョイス、モリッシーの人種差別発言に関するクイズに答える

 

ザ・スミスのドラマーであるマイク・ジョイスは、新しいインタビューに応じ、元バンド仲間で現在人種差別主義者として非難されているモリッシーに関する気まずい質問に答えている。(「モリッシーは人種差別主義者なのか?」と言うゲームに挑戦した)以下のインタビューをご参照。

 

先週モリッシーは、人種差別、およびハラール食品とISISとの関係性の疑惑についての発言に関して非難を浴びていることに関するインタビューに応じ、見出しが躍った。これまでもモリッシーは、ヒトラーを「左翼」と呼んだり、ロンドン市長のザディグ・カーンを「ちゃんと話せない」とも発言している。その後も、イギリスの極右政党支持を表明する一方で、「人種差別主義やファシズムは軽蔑している」ことや、ムスリム支援を明言していた。

 

ロシアのテレビ番組「サム・デラニー・ニュース」に出演したマイク・ジョイスは、モリッシーハラール食品に関する発言について「読みましたが、正しいのかどうか良くわかりません」と前置きした上で、「何か強い発言をする際には、それが正しいかどうかをまず最優先すべきではないでしょうか」と答えた。

 

モリッシーとのこれまでの関係性を問われると、「誰かに対して、モリッシーが差別的な態度を取っているのは私は見たことがないです」「もう長いことモリッシーとは会話していませんが、年を取れば考え方が変わることはあると思います。正直に言って、モリッシーは30年か40年くらい前のイギリスに対する憧憬を抱えているのではないかと思う」と発言した。

 

モリッシーの両親は共に移民なのに、そんな発言を読むのはつらかった。『待てよ、一体どういうことなんだ?』と思いましたよ。人種差別主義者呼ばわりしたことで、スピン・マガジンを訴えているようですけど、上手く行くか注目しています」

 

ジョイスは「僕らはいつも彼のことを『鳥の羽を逆立てるような存在』だって話しているんです。1985年に『ミート・イズ・マーダー』をリリースした際には、そんなスタンスを取るのは良くない、みんな音楽を聴きたいだけなんだから、君たちの思想なんてどうでもいいんだ―――って良く言われましたよ。でもそのせいで、僕はベジタリアンになったし、今でもそうです。僕らが積極的な発言をすることで、動物虐待や動物を殺すことへの議論が生まれたのです」

 

動画の最後で、ジョイスは「君はドラマー、ベーシストではない。さて問題です、モリッシーは人種差別主義者か?」というゲームに挑戦している。ゲームでは、いくつかの人種差別発言が紹介され、それがモリッシーのものか、デラニーが言う「他の有名な人種差別主義者」のものか、ジョイスが答えるという内容。モリッシーのコメントに明らかに当惑したジョイスは「モリッシー本人にお尋ね下さい」と、大人の対応を見せた。

 

また、「前にいたバンドより、自分のソロの音楽の方が好き」と言うモリッシーの発言については、「正直に言うと、僕はソロよりザ・スミスの音楽の方が好きですね。それは自分が演奏しているから、と言うのもありますけど。僕らの初めてのライブでは、モリッシーが周りに紙吹雪を撒いたのを思い出します」

 

「そんなこと何も話していなかったのに・・・彼はフロントマンなのでね。花も抱えていた。僕らが住んでいた、重苦しく灰色で霧雨のマンチェスターから、逃げ出したかったのだと思う。ほんの少しの光と色彩、そして娯楽をもたらしたかったのではないかと」

 

偏見に対する非難を否定するように、モリッシーは先週このように述べている。「僕は人種差別主義を軽蔑している。ファシズムも同様だ。ムスリムの友人には何でもしたいと思っているし、彼らも僕に何でもしてくれると思う」。

 

そしてこう続けた「この観点から、僕らの安全を委ねられるイギリスの政党はただ一つだけだ。その政党とは、フォー・ブリテンだ」と。「彼らにチャンスを与えて欲しい。主張に耳を傾けて欲しい。MSMの暴君の言いなりになって、フォー・ブリテンが人種差別主義者集団でファシズムだなんて信じてはだめだ。僕を信じてくれ。奴らが言っていることはまるで逆だ!!耳を閉ざさないで欲しい。フォー・ブリテンはイギリス社会と共に歩んで行くんだ。暴力に未来はない」

 

昨年、モリッシードナルド・トランプケヴィン・スペイシーに関する発言について釈明している。その後、ドイツの新聞がインタビューに関するオリジナルの音声完全版を公開。モリッシーは「小児性愛とレイプに共感を示したことはない」と否定し、「文脈を無視してコメントの一部だけが抜粋されている」と主張していた。

モリッシーは昨年、ソロ最新作の「ロウ・イン・ハイスクール」をリリースしている。

 

 

【Words】

yearning(名)憧れ、思慕、切なる思い、切望

pan out  ①鍋(pan)をゆすって金を取り出す 砂金が出る ②成功する、計画がうまくいく

confetti   紙吹雪

austere (形)重苦しい

 

 

【Note】

他のクオリティペーパー(新聞)では、政治的な過激発言を繰り返すモリッシーに対してもっと批判的な記事も目にします。報道の根本が、良心や正義であることは理解しているものの、一社会人として断罪されるモリッシー。心が痛む論調が殆どです・・・それだけのことを発言しているからに他ならないのですが。

NMEはミュージシャンとしてのモリッシーの視点で見ているからか、まだそれでもリスペクトが微かに残っているように思われ、救いを感じます。